LTBIとIGRA検査

潜在性結核感染症 (latent tuberculosis infection:LTBI) とは

結核を発病している人が咳やくしゃみをした時に、結核菌が飛び散り、 吸い込むことにより感染することがあります。

結核菌を吸い込んでもすべての人が感染をするわけではなく、体の抵抗力により追い出されます。 菌が体内に残る場合は、免疫細胞の一種であるマクロファージが結核菌を囲み核が作られます。
結核菌が体内に残っていても体内に封じ込められたまま活動しない状態を「感染」といいます。

潜在性結核感染症とは、結核菌が体内にあっても、発病していない感染状態のことをいいます。

IGRA (Interferon-Gamma Release Assay) 検査とは

結核感染を診断するIGRA検査にはクォンティフェロンTBゴールド (以下QFT) 検査と ELISPOT法のT-スポット®.TB (以下T-SPOT) 検査の2種類の方法があります。
ツベルクリン反応 (以下、ツ反) よりも特異度・感度が高いと言われています。

測定原理は結核菌に特異的な抗原を使用して、Interferon Gamma (IFN-γ) 産生をする 細胞性免疫のレベル (IFN-γ産生量) を測定します。

LTBI
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LTBI治療指針のポイント

今般策定された潜在性結核感染症治療指針で注目すべき点は、 これまでの国内外のエビデンスを網羅しつつ、IGRA検査の使用を推奨している点です。

本治療指針ではLTBIは他の病歴を確認しながら治療を行うことが望ましいと言われています。
また、LTBIの感染診断の確認において、これまで行われてきたツ反は BCG接種や非結核性抗酸菌等の影響を受ける可能性があるため、より優れた特異度をもつIGRA検査等の、 新知見、技術を積極的に取り入れていくとの方向性が記載されています。

活動性結核患者を対象とした比較で「IGRA検査の2種の特異度に差がないとの報告がある」との記述があり、 特に免疫不全状態でリンパ球数の少ない患者さまでは、IGRA検査でも、T-SPOTの方が影響を受けにくいと言われています。

LTBIの感染診断において、今後もIGRA検査への理解が深まり、感染診断に有用な検査であるとの認識が高まっていくと考えられます。

「潜在性結核感染症治療指針」平成25年3月 PDF
(日本結核病学会予防委員会・治療委員会)(社団法人日本結核病学会)

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結核菌特異的IFN-γ検査

ELISPOT法 (T-SPOT) は、QFT検査と同様に結核感染の有無を診断する検査方法です。
このT-SPOTを用いた検査は、英国Oxford Immunotecにより開発され 2012年11月に日本で製造販売承認を所得し、現在では世界40以上の国・地域で利用されています。

結核疑いの患者様の補助診断はもとより、関節リウマチ等に対する免疫抑制治療前のスクリーニングなど 幅広い領域での活用が期待されています。

測定手順としては、結核感染の有無を検査する対象者から採血してリンパ球を分離し、 抗ヒトインターフェロン-ガンマ (IFN-γ) 抗体を底部にコーティングした培養プレートに一定量を分注後、 結核菌特異抗原ESAT-6およびCFP-10を添加して、20時間前後培養します。
結核感染者のリンパ球からはIFN-γが分泌され、抗ヒトIFN-γ抗体と結合します。
この状態を可視化して、IFN-γを産生する細胞の個数を計測し、IFN-γ産生細胞の数により結核感染を診断します。

T-SPOTは免疫能を抑制するような妨害物質を除外し、白血球数を調整するといった前処理を行うため、 その感度はQFTより高いとする報告が多く、免疫抑制剤使用者やAIDS患者等 免疫力が弱まっている方の結核感染診断で期待が持たれています。国内成績では97.5%の感度が得られています。

測定手順 資料提供:オックスフォード・イムノテック株式会社
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受託要綱

項目コードNo. 6444 7
検査項目名 結核菌特異的IFN-γ new window
検体量 血液 5.0 mL
容器 容器:G
G (ヘパリン入り)
保存方法 室温保存してください。
保存安定性 32時間
所要日数 3~5 日
検査方法 ELISPOT法
基準値 (単位) 陰性
実施料 630点 (D015「血漿蛋白免疫学的検査」の25)
判断料 144点 (免疫学的検査判断料)
備考

受託可能日は月~金曜日です。
他項目との重複依頼は避けてください。検体は採取後、当日中にご提出ください。

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