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HTLV-Tは,成人T細胞白血病(ATL)の原因ウイルスとして発見され,さらにHTLV-T関連脊髄症(HAM)や慢性肺疾患,関節炎,ぶどう膜炎などとの関連が明らかにされ,他臓器癌,糞線虫症などへの関与も指摘されている。ATLキャリアからの発症は,約750人から2,000人のキャリアの中から1年につき1人の発症が推察されている。キャリアからのATLの発症はほとんど母子間感染例であり,成人以降にHTLV-Tに感染した場合,ATLを発症する可能性は極めて低いとされている。 HTLV-Tの血清学的検査の目的は,白血病・リンパ腫などの血液疾患や脊髄症を含む種々の病態におけるHTLV-Tの関与の検討や,献血者や妊婦のスクリーニングによるキャリアの発見と輸血や母子間の感染の予防およびHTLV-Tウイルスの地域的な漫淫度と,その感染経路の解明のための疫学調査などに用いられる。HTLV-T抗体の測定にはゼラチン凝集法(PA法),化学発光酵素免疫測定法(CLEIA法),蛍光抗体法(FA法),ウェスタンブロット法(WB法)などがある。PA法は簡便で多数の検体を測定できるため,献血者スクリーニングに適しているが,低力価での偽陽性,非特異反応などが問題である。よって,一つの方法のみの判断では危険であり,FA法,WB法での確認を行い,病名や家族歴を確認したり,経過観察も必要である。またHTLV-T抗体陽性の場合,その個人はHTLV-Tに感染していると判断できる。ただし,ATLと最終診断するためのウイルス学的検査としてはリンパ球(末梢血またはリンパ節細胞)の内部にHTLV-TプロウイルスDNAがモノクローナルに組み込まれていることをサザン法・PCR法などを用いて証明する必要がある。
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