実施日
 
平成17年7月19日(火)ご依頼分より
 
新規実施項目
 



β-D-グルカン
β-D-グルカン
 
このたび、高γ-グロブリン検体などで発生していた非特異反応を軽減させた改良試薬で、β-D-グルカンの測定を開始いたします。


 β-D-グルカンはカンジダやアスペルギルスなどの真菌の細胞壁を構成する多糖体で、これらの感染により血中に出現し、菌の破壊によって血中濃度が増加することから、深在性真菌症の診断や治療効果判定に有用な検査として知られています。また、カリニ原虫の虫体にもβ-D-グルカンが存在することから、カリニ肺炎の診断にも有用であると注目されています。
 今回導入させていただきます改良試薬は、高γ-グロブリン検体などで発生していた非特異反応を軽減させています。しかし、グルカン製剤(抗悪性腫瘍剤)、セルロース膜で精製した血液製剤などの投与、セルロース膜での透析後の血液などでは陽性を示す可能性がありますので、ご注意ください。

疾患との関連 
 
関連する主な検査項目 
深在性真菌症
カリニ肺炎
 
カンジダマンナン抗原 カンジダ抗原
アスペルギルス抗原 D-アラビニトール
クリプトコックス・ネオフォルマンス抗原

高γ-グロブリン検体を除く検体で、試薬改良前・後のデータ相関を示します。

高γ-グロブリン検体での試薬改良前・後のデータを示します。

No 改良前 改良後
1 34.0 16.9
2 29.9  9.5
3 37.4 15.2
4 34.4 17.2
5 58.5 27.6

 No1〜No4:非特異反応が軽減され、カットオフ以下の結果となっています。
 No5:非特異反応が軽減されていますが、未だにカットオフを超える測定結果となっています。しかし、このような検体は、通常と異なる反応パターンがみられるため、非特異反応が生じている旨、別紙にてご報告いたします。


参考文献

吉田耕一郎,他:感染症誌2005,79(7)(検査方法参考文献)

大林 民典:臨床病理 44(6):528〜532,1996.
 
新規実施項目内容一覧
 
項目コード
(統一コード)
検 査 項 目 検体量
(mL)
容器 保存
(安定性)
所要
日数
実施料
判断料
検査方法 基準値
(単位)
備考
2723 2
(5E151)

β-D-グルカン

血液
2.0

(ノボヘパリン加)
T3 冷蔵 2〜4 250
※5

発色合成
基質法

20 以下
(カットオフ値)
(pg/mL)

(基準値について)
20pg/mLは、深在性真菌症のカットオフ値です。
エンドトキシン定量以外の項目との重複依頼は避けてください。
本検査においては、血漿中の(1→3)-β-D-グルカンを測定いたします。
血液2.0mLを専用容器(T3)にて採血し、よく混和させ、速やかに冷蔵保存にてご提出ください。
グルカン製剤(抗悪性腫瘍剤)、セルロース膜で精製した血液製剤などの投与、セルロース膜での透析後の血液などは、データが高値を示す可能性があります。また、多発性骨髄腫・高γ-グロブリン血症では非特異反応を示す可能性があります。
溶血検体では、高値傾向を示す場合があり、溶血の度合いによっては検査不能となる場合があります。

※5:免疫学的検査判断料